研究成果

 ここでは、知的障害のある人と行ったインクルーシブリサーチの、論文以外の成果を紹介します。インクルーシブリサーチでは、これまでアカデミックな研究に参加することが難しかった人たちが、研究の対象ではなく、研究する側に参加することで、周囲の人たちが今までのやり方を見直し、ひいては社会が変化していくことを目指します。知的障害のある人が活用できるよう、研究成果をゲームやわかりやすいパンフレットなど、様々な形にまとめています。

障害福祉計画に知的障害のある人の意見を伝えるために (2025年)

このパンフレットは、知的障害のある人が自分たちの意見をまとめ、障害福祉計画策定の場に伝える方法をまとめています。本人たちが撮った写真をもとに話し合う「くらしをパチリ調査」や、自治体が行うアンケートを使って話し合う「シールで投票」など、本人活動グループのメンバーと行った調査結果に基づいています。「地域生活の評価と福祉計画策定過程の参加に向けた知的障害者とのインクルーシブ調査」(科学研究費(基盤研究C)課題番号20K02190)の助成を受けています。

あなたの意見を伝えてみませんか? (わかりやすい版)

どの市町村も、障害のある人ひとも ない人ひとも
くらしやすいまちに することを めざしています。
そのために、市町村では
障害のある人の意見を聞ききたいと考えています。
「こんなまちに なるといいな」
「こういうところは 変えてほしい」そんな意見を 伝える方法をこのパンフレットに まとめました。

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障害福祉計画に知的障害のある人の意見を伝えるために (支援者版)

参加には様々な方法がありますが、今までのやり方では知的障害のある人にとって難しく、家族や支援者が代弁していることがほとんどです。

このパンフレットでは計画策定過程への「参加」を、➀計画策定の場に意見を伝える、②計画策定の場に参加するという2つに分けてとらえ、「みんなの意見」を計画策定の場に伝えるためのアイデアをまとめています。

わかりやすい版「あなたの意見を伝えてみませんか?」の解説としてお使いください。

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インクルーシブリサーチについてのパンフレット (2024年)

このパンフレットは、インクルーシブリサーチのポイントをまとめたものです。これまで行ってきたインクルーシブリサーチについて、調査をした知的障害のある人や関係者と行った検証、評価に基づいてつくりました。科学研究費(基盤研究C)「研究方法論としてのインクルーシブアプローチー知的障害者との協働研究の検証」(19K02160 研究代表者:森口弘美、研究分担者:笠原千絵)の成果です。詳しくは、天理大学森口弘美先生のホームページをご覧ください。

障害のある人の声を社会に届けるインクルーシブリサーチ

障害のある当事者に向けてインクルーシブリサーチを提案する、4ページのパンフレットです。

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当事者の声が社会を変える―インクルーシブリサーチの可能性―

インクルーシブリサーチのポイントやケーススタディ、支援者や研究者が気をつけることなどをまとめた8ページの冊子です。「しょうらいのくらし調査」についてのケーススタディも載っています。

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くらし・たすけあいフォーマット ― しょうらいのくらし調査 (2019年)

「くらし・たすけあいフォーマット」は、知的障害のある人が自分の暮らしを見つめ、様々な暮らし方があることを知り、自分の考えを相手に伝えるための4種類のツールです。本人リサーチャー・中西正繁さん(ケアの文化研究所)の発案をもとに、奈良チームの中西さん、東京チームの「ぐっとあっぷガヤ」のメンバーを中心に取り組んだ調査の成果物です。ここでは主に東京チームの成果を紹介します。「本人リサーチャーと開発するくらし・たすけあいフォーマット:将来の暮らしに関するインクルーシブ調査」(2018年度三菱財団社会福祉事業・研究助成)の助成を受けています。

(1)くらしをパチリ調査 〈今のくらしを見なおす/伝える〉

自分がどこに行って、何をするのが好きで、どんな人によく合うのかを、写真をつかって伝えて、まわりの人たちにわかってもらうためのものです。

【こんな時に役立ちます】

  • 今、どんなくらしをしているかを 人に説明するとき
  • 自分のくらしのことを、整理して伝えるのが 大変なとき
  • 話をしても、うまく伝わらないとき。いっしょに考えてもらいたいけど、誰とやればいいのかわからないとき。

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(2)あなたの人生おしえてゲーム 〈しょうらいのくらしを考える〉

このゲームは、「しょうらいのくらしって、まだよくわからないな…」と思う人が、いろいろな人の話を聞くチャンスをつくるものです。

ライフイベントが印刷してあるカードを引き、その経験の有無や意味を、障害のある人、ない人で話し合うゲームです。「将来のくらしについて考えよう」といっても、どんな選択肢があるかわからない、どんなことで困るかわからない…といった困りごとが見えてきた「しょうらいの暮らし調査」の結果をふまえています。

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新・あなたの人生おしえてゲーム(2022年)

「あなたの人生おしえてゲーム」(2019年)の感想や、ダイバーシティ発信基地グループ「i-LDK」のメンバーの意見をふまえて、より楽しく、使いやすくしたゲームです。ゲームだけでない、いろいろな使い方のヒントも書いてあります。

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(3)「話しあいを開いてください」フォーマット〈困りごとを伝える〉

こまりごとや、やりたいことがあるときに、その本人が話しあいを開く計画をするフォーマットです。このフォーマットを使って、本人がリードする話しあいを開いてみませんか。

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(4)勉強会を開くためのDVD「みんなならどうする?」〈みんなで考える〉

このDVDには、お金のことで困る場面の演劇が入っていて、「みんなならどうする?」と考えることができます。このDVDを使った勉強会を開きたい人は、ケアの文化研究所に連絡してください。

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